オーデュボンの祈りの感想
東日本大震災があったあの日に読みかけのまま流されてしまった小説。
そんな理由で6年以上も中断していたこの本を、やっと読み終えることができた。
ずっとモヤモヤしていたので、本当に嬉しい。
主人公の年齢が年上になっていたのが地味にショックだった。
6年の重みを感じた。
舞台は孤島で、カカシが喋ったりする非日常の世界観に没頭することができた。
久しぶりの読書なので読了に時間がかかるのではないかと心配だったが、そんなことはなかった。
伊坂幸太郎の作品は何個か読んできたが、その中では一番面白くなかった。
他の作品に見られる、最後の伏線回収のたたみ掛けのスピード感が弱かったと思う。
なんにせよ、あの日で止まっていた小説を読み終えられたことは感慨深い。
嫌われる勇気
本屋が好きで、どこか知らない土地に行っても目に入れば立ち寄る。
どの本屋に行っても、青くて和紙のような変わった質感のこれが置いてあった。
タイトルも気になった。
嫌われたくないのが普通なのに。
目を引くようなキャッチコピーやタイトルで中身は大したことのない、
思考停止者ホイホイ系の本かなと思い敬遠していた。
だけども、あまりに色んなとこに置いてあるし、
被災地の小さな仮設図書館(陸前高田コミュニティー図書館)にまでもあるもんだから、毎回出会って鬱陶しいなあと、ため息をつきながらも読んでみることにした。
要約すると、
他者の課題と自分の課題を合理的に区別し精神的に楽に生きよう
ということだと思う。
人間の悩みの原因は突き詰めると対人関係に帰着するということを理解したうえで、
本書の生き方を実践すればそれは可能かもしれない。
ただ、そこには必ず他者から嫌われる可能性が付きまとう。
では、どうすればいいのか?
嫌われる勇気を持とう。
ということだ。
キャッチーなタイトルで購買意欲を煽る本かとおもいきや、そうでもなかった。
そういう意図が見えなくもないが、純粋に本の主張をタイトルにしたとも言える。
具体的な方法論、勇気の持ち方については詳しく書かれていないが、
アドラー心理学をさらに知りたいと思わせられた。